自分のいびきで起きるのは体からのSOSサイン
浅い眠りが続くと集中力・免疫力が低下
睡眠が浅い状態が続くと脳と体の十分な休息が妨げられます。その結果、翌日の日中に強い眠気や集中力の低下が起こりやすくなります。仕事や勉強に支障が出たり、イライラしやすくなることもあるでしょう。
さらに、睡眠不足が慢性化すると体の免疫力も低下し、風邪をひきやすくなったり体調を崩しやすくなると言われています。自分のいびきで夜中に何度も起きてしまう状態は、体がしっかり休めていないSOSサインなのです。
睡眠時無呼吸症候群の前兆として現れるケース
自分のいびきで目覚めてしまう背後に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が潜んでいる場合もあります。
SASでは睡眠中に何度も呼吸が止まり、そのたびに脳が危機を感じて目覚めを引き起こします。いびきが途中で途切れたり、寝ている間に「ハッ」と息苦しくて飛び起きるようなことがあれば要注意です。
それは単に音が原因で目覚めているのではなく、無呼吸による覚醒反応かもしれません。睡眠時無呼吸症候群は放置すると高血圧や心疾患など健康リスクが高まるため、「もしかして」と感じたら早めに専門医に相談しましょう。
原因を特定!タイプ別セルフチェックリスト

軟口蓋が下がる“喉いびき”タイプ
喉(ノド)が狭くなることで生じる典型的ないびきが“喉いびき”タイプです。
睡眠中に舌や柔らかい軟口蓋(のどちんこ周辺)が喉の奥に落ち込み、気道を塞ぐことで大きないびき音が発生します。口を開けて寝る傾向が強く、朝起きたときに口や喉がカラカラに乾いている場合は喉いびきのサインです。
また、仰向けで寝るといびきがひどくなり、横向きで寝ると比較的静かになるのも特徴です。いびきの音も「グーグー」「ガーガー」といった低い唸り音になりやすく、周囲から「ものすごいいびきだ」と言われる場合はこのタイプかもしれません。肥満で首回りに脂肪がついている人や、扁桃肥大・顎が小さい骨格の人によく見られるいびきです。
鼻づまり・アレルギーによる“鼻いびき”タイプ
鼻の通りが悪いことが原因で起こるのが“鼻いびき”タイプです。
花粉症やアレルギー性鼻炎、慢性的な副鼻腔炎などで鼻粘膜が炎症を起こして腫れると、睡眠中に空気の通り道(鼻腔)が狭くなり、鼻内部で粘膜が振動していびき音が発生します。口を閉じているのに「フガフガ」「ヒューヒュー」といった音が聞こえる場合は、鼻づまりによる鼻いびきの可能性が高いでしょう。
横向きに寝てもあまり改善が見られず常にいびきが聞こえるようであれば、喉ではなく鼻側に原因があるかもしれません。鼻中隔のゆがみ(鼻中隔湾曲症)や鼻ポリープがある人、生まれつき鼻腔が狭い人も、この鼻いびきタイプになりやすい傾向があります。
肥満・アルコール・姿勢など生活習慣タイプ
生活習慣もいびきを悪化させる大きな要因です。
代表的なのは肥満と飲酒、そして寝るときの姿勢です。太って首や喉周りに脂肪がつくと気道が圧迫されて狭くなり、いびきをかきやすくなります。
就寝前のアルコール摂取も要注意です。お酒には筋肉を弛緩させる作用があるため、喉の筋肉が緩んで気道が狭まり、いつも以上に大きないびきを招きます。また、仰向けに寝る姿勢も舌が喉に沈みやすく喉いびきを悪化させます。普段横向きではいびきをかかないのに、仰向けになった途端いびきをかく場合は姿勢が原因でしょう。
このような生活習慣タイプのいびきは、体重管理や飲酒・喫煙の見直し、寝方の工夫などセルフケアによって改善できる可能性が高いです。
放置すると起こりうる健康リスク

日中の強い眠気と交通事故リスク
いびきで夜中に何度も起きてしまうと睡眠が分断され、慢性的な睡眠不足に陥ります。その結果、日中に強い眠気に襲われ、集中力が著しく低下してしまいます。
仕事中についうとうとしてしまったり、会議中に意識が朦朧としてしまうこともあるでしょう。特に問題なのは、運転中の居眠りです。睡眠時無呼吸症候群の患者は交通事故を起こすリスクが健常者よりも高いという報告もあります。眠気による判断力の低下は重大な事故につながりかねません。
日中の眠気が常態化すると仕事や勉強の能率も落ち、社会生活にも支障を来すため、注意が必要です。
高血圧・心疾患など生活習慣病の引き金
大きないびきを伴う睡眠は、体内が慢性的な酸素不足にさらされる可能性があります。
気道が狭まり低酸素状態が繰り返されると、身体はストレス反応で交感神経が活発になり、血圧が上昇しやすくなります。そのため、いびきを放置すると高血圧症を招きやすく、さらに心臓や血管にも大きな負担がかかります。
実際、睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは高血圧や心疾患(心筋梗塞・狭心症)、脳卒中を発症するリスクが高いことが知られています。
夜間の低酸素状態が続くことで不整脈が出現したり、糖尿病のコントロールが悪化するケースも報告されています。「たかがいびき」と侮っていると、将来的に命に関わる生活習慣病の引き金となりかねないのです。
うつ・認知機能低下との関連性
睡眠不足が長く続くと、メンタルヘルスにも悪影響が及びます。
夜しっかり眠れない状態が続けば、常に疲労感が抜けずイライラしやすくなったり、気分が落ち込んでうつ症状が現れることがあります。実際、慢性的な睡眠の質の低下はうつ病のリスク要因の一つとされています。また、睡眠中に脳が十分な休息を取れないと記憶力や判断力が低下し、認知機能にも悪影響が出ます。
集中力の低下だけでなく、「最近物忘れが増えた」「頭が働かない」と感じる場合、睡眠の質が原因かもしれません。
今日からできるセルフケアと改善トレーニング

寝姿勢・枕の高さを変えるだけで改善する例
いびきを改善する第一歩は、寝るときの姿勢や寝具を見直すことです。
仰向けではなく横向きで寝るようにするだけで、舌が喉に落ちにくくなりいびきが軽減するケースが多々あります。また、枕の高さも重要なポイントです。高すぎる枕は顎が引けて気道を圧迫し、逆に低すぎると首が反って喉が狭くなってしまいます。理想的なのは、横向きに寝たとき頭から背中までが一直線になる高さです。
自分に合った枕を選ぶか、タオルを重ねて細かく高さを調整し、気道が圧迫されない姿勢を追求してみましょう。「寝方を変えただけでいびきがほとんど気にならなくなった」という人もおり、姿勢・枕の工夫は簡単ながら効果的ないびき対策になります。
舌筋ストレッチ&呼吸筋トレのやり方
喉や舌まわりの筋肉を鍛えるトレーニングも、いびきの改善に有効です。
日々少しずつ舌の筋力アップを図り、睡眠中に舌が喉へ落ち込みにくくすることを目指しましょう。例えば有名な「あいうべ体操」は、口を「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく動かすことで舌と喉周囲の筋肉を鍛える体操です。声を出さなくても構いませんので、寝る前やスキマ時間に繰り返し行ってみてください。その他にも、舌を上あごに押し付けて10秒キープして力を抜くといった舌筋ストレッチも効果的です。こうしたトレーニングを続けると舌の位置が安定し、気道が確保されやすくなります。
あわせて、鼻呼吸の練習も取り入れましょう。普段から口呼吸の癖がある方は、意識的に鼻で深呼吸する習慣をつけることが大切です。
寝る前にゆっくり鼻から息を吸って口から吐く腹式呼吸を行うと、リラックス効果とともに鼻呼吸のトレーニングになります。鼻づまりがひどい場合は無理せず耳鼻科で治療し、日中からなるべく口ではなく鼻で呼吸するよう心がけてみてください。
舌と呼吸の筋肉を鍛えるセルフケアを継続することで、いびきが徐々に改善してくることが期待できます。
根本改善を目指すならレーザー治療という選択肢

軟口蓋を引き締めるパルスアルティメットとは
いびき治療の最新アプローチとして注目されているのが、軟口蓋(のどちんこ周辺)をレーザーで引き締める施術です。
最新の「パルスアルティメット」というレーザー機器を用い、切らずに喉の軟部組織を収縮させる治療が行われます。軟口蓋がたるんで振動することが大きないびきの原因ですが、レーザーを照射することでその組織をキュッと引き締め、気道を広げる効果が期待できます。
メスで組織を切除する従来の手術とは異なり、レーザーの熱エネルギーで軟口蓋のコラーゲン繊維を収縮させるため、出血や傷跡を残さずに根本的ないびき改善を目指せるのが特徴です。
施術時間15分・ダウンタイム最小の特徴
レーザー治療「パルスアルティメット」の利点は、その手軽さにもあります。
施術自体は約15分程度で完了し、入院の必要もありません。麻酔もメスを使う手術のような全身麻酔ではなく、喉の粘膜にスプレー麻酔をする程度で、多くの方は痛みをほとんど感じずに受けられます。治療後のダウンタイム(回復に必要な休養期間)もほぼありません。
施術直後から飲食が可能で、そのままお仕事や日常生活に戻ることができます。喉にわずかな違和感が出る程度で、出血や強い痛みも起こりにくいため、「切らない・痛くない最新治療」として患者様の負担が非常に少ない点が大きな特徴です。
マウスピースや手術との違いを比較
レーザー治療は、従来のマウスピース療法や外科手術と比べても多くのメリットがあります。
いびき治療のマウスピース(スリープスプリント)は就寝時に装着して下顎を前方に固定し、気道を広げる対症療法です。軽~中等度の症状には有効ですが、毎晩装着の手間がかかり、違和感で眠れない人もいますし、根本原因である喉のゆるみ自体を治すわけではありません。
それに対し、レーザー治療は軟口蓋そのものを引き締めることでいびきを根本から減らすアプローチです。一方で外科手術(例えば口蓋垂や扁桃を切除する手術)は根治的ですが、全身麻酔下で行う侵襲的な方法で、術後の喉の痛みや出血リスク、入院や長い回復期間が避けられません。
パルスアルティメットによるレーザー治療なら、手術のような体への負担をかけずに済み、マウスピースのような煩わしさもありません。「毎晩の機器に頼らずいびきを治したい」「手術は怖い」という方にとって、有力な選択肢となるでしょう。
まとめ
夜中に自分のいびきで起きる原因や危険性、セルフチェック方法から対策・治療法まで幅広くご紹介しました。
いびきは放っておくと健康や生活の質に影響を及ぼすサインですが、原因に合った対策で改善できるケースがほとんどです。まずは生活習慣の見直しやセルフケアを実践し、それでも改善しない場合は早めに専門医に相談してみましょう。
「切らないで治したい」「手軽にいびきをなくしたい」という方は、広島いびきクリニックのようないびき専門クリニックで相談するのも一つの方法です。
適切な治療によって快適な睡眠を取り戻せば、日中の活力も蘇り、将来の健康リスクも減らすことができます。
いびきを自分だけの問題と捉えず、この機会にしっかり向き合って快眠を手に入れましょう。